◆ 英語の『ボキャブラリー』について
英語はもとより外国語の学習について回る言葉、『ボキャブラリー』とは一体なんでしょう。日本語では『語彙』という難しい漢字が使われていますが、辞書で調べると次のように定義してあります。
「一言語、また、ある範囲の単語の集まり。単語を集合としてみたもの」
何を言っているのか分かるような分からないような説明ですが、ある言語を自由に操るためには豊かなボキャブラリーが 必要なことは言うまでもないでしょう。
ではボキャブラリーとは単に『知っている単語の数』と捉えればいいのでしょうか。
定義は人や立場によっていろいろあるでしょうが、英語道場としては『ある程度使いこなせる単語の数+それらの単語の背景にある経験の量』と定義したいと思います。
例えば日本語の『将軍』という単語を聞けば、『一休さん』が好きな人は足利幕府を思い浮かべますし、時代劇が好きな人であれば江戸幕府でしょう。あるいは年輩の方であれば山本五十六や乃木将軍かも知れないし、西部劇の好きな人やアメリカに詳しい人ならカスターやグラントという名前を思い浮かべるでしょう。
このように『将軍』という語を1つとっても人によってイメージが異なりますが、全体としては『軍隊の中で一番上の方にいる人』『大将』というような共通する意味を漠然ともって使っていると思います。
こうやって1つの単語を取ってみても、その単語にどのようにどれだけ接してきたかが、人によって全く違います。そして、 ある一つの単語の背景に多くのイメージと経験を持てば持つほど、その単語をより上手に使うことが出来るでしょう。むろん忘れるようなことはまずあり得ません。
◆「単語が覚えられなーい」
英語の指導をしているとよく「単語が覚えられない」という言葉を聞きます。これには大きく分けて次の2つの原因が考えられます。
第1の原因…学習の回数が足りない
第2の原因…単語の意味をイメージ出来ない
第1の原因は簡単に解決できます。「外国語の単語を4回や5回書いたり読んだりするぐらいで覚えられると思うな。最低20回は繰り返し、少し間をおいてまた5回はやれ」というのが解決方法です。
母国語を『自然に』 習得していく過程で1つの単語に何回接しているか(無意識の時も含めて…これは意外と重要な要素かも知れません)考えれば分かるでしょう。
問題は第2の原因です。
例えば“transfiguration 変形・変容”という単語を『transfiguration 変形・変容transfiguration 変形 ・変容…』と繰り返して20回やってもまず覚えられません。具体的なイメージが出来ないからです。
ところが“transnission車のトランスミッション=変速機”“transformer 電柱のトランス=変圧器”“trans-plant移植”を見れば分かるように、“trans”は『変化・移動』。
一方“figuration”の“figur(e)”はフィギュアスケートの“figure”で『姿・形・人物・数字・図形』などの意味です。だから“trans+ figura+tion= 変える+姿形+こと”と分かりやすくなります。
そしてハリー・ポッターを読んでいる人なら、マゴナガル教授が最初の授業で机をブタに変えて学生を驚かすところを覚えているでしょう。彼女は『机→ブタ』の変形をしたのです。彼女は魔法学校の主要科目“trans-figuration”の教授なのです。
どうですか、“transfiguration”という語が急に身近になってきたでしょう。
単語は、日本語訳ではなくイメージと共に覚えるものなのです。
英語道場長
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